2021年3月のAmazon新生活セールで18,800円で販売されていたASUSのChromebook「C423NA」。
その安さに惹かれて購入したのですが、Chromebookを触るのは初めてです。
右も左も分からないまま買ったので、
- Chromebookとは何なのか?
- ASUS Chromebook C423NAレビュー
と、この2点をまとめましたので、ChromebookやC423NAが気になる方の参考になれば幸いです。
Chromebookとは?
そもそもChromebook(クロームブック)とは何か?
Googleが開発しているOS(オペレーティングシステム)「Google Chrome OS」を搭載したパソコンのこと。デスクトップモデルはChromeboxと言います。
- 同スペックのWindowsパソコンと比べると動作が軽く、起動も6〜15秒ほどと早い。
- HTML5などで構成されたWEBアプリ、Linux、Androidアプリが動作する。
- Linux開発環境を簡単に導入できる。
- OSアップデートは完全にバックグラウンドで行われる。
- プロセスはサンドボックス内で行われる為、ウイルス対策が不要。万が一ウイルスが混入されているサイトを開いてしまってもタブとシステムは分離されている為、他の部分を見ることができない。
- Android端末とペアリングしている場合はパスワードを省略、Android端末のネット回線の共有・通知表示ができる。
- Windowsと同じくマルチウィンドウ表示が可能。
- 10時間駆動を謳う端末が多いほどバッテリー持ちが良い。
- 直接プリンタをUSBに接続して印刷できない。
- 基本スペックが低くストレージが少ないものが多い。(最近は性能が向上しているモデルも増えてる)
- ドライバが必要な光学ドライブなどは使えない。
- Chromeリモートデスクトップのクライアントは動くが、ホストにはなれない。
- 基本データはGoogleドライブに保管されたものを使用するため、一度パソコン内にキャッシュしてから開くためネット回線、パソコンの性能、ファイルサイズによっては開くのにかなりの時間がかかる場合がある。(ローカルストレージ内に保存できるものは保存しておくことをおすすめします)
- PlayストアやLinuxアプリはSDカード内に移動することができない。
- WindowsやMacと違い端末ごとに更新ポリシー期間が設けられ、それを過ぎるとOSアップデートが受けられなくなる。
思っていたよりできることは多いとは思いますが、それでもWindowsと比べると柔軟性に欠ける為、あれやこれやと機能を求めず物書き用デバイスとして考えて使ったほうが快適に使えると思います。
その方が作業に集中できますから。
Chromebookはシンクライアントではない
よく勘違いされがちですが、Chromebookパソコンはサーバで処理をした結果を画面上に表示させるシンクライアントパソコンではなく、パソコンの中にOSが搭載された単独で動作するパソコンです。
もちろんシンクライアントのように遠隔でサーバ環境をChromebookに表示させることは可能ですが、インターネットに繋がっていない環境でも普通にダウンロードしたアプリを使ったりオフラインデータを表示・編集することが可能。Chrome用アプリもオフラインで使える機能もあります。
なのでインターネット環境によって動作速度が左右されることはありません。
寧ろ、搭載CPUやメモリの性能によって動作速度は変動します。
ASUS Chromebook C423NA
主なスペック
ASUS Chromebook C423NA OS Google Chrome OS CPU インテル® Celeron® N3350 2C2T
動作クロック:1.10GHz(ブースト時:2.40 GHz)GPU インテル® HD グラフィックス 500
動作クロック:200MHz(ブースト時:650 MHz)メモリ 4GB(増設・交換不可) ストレージ eMMC32GB(増設・交換不可) Webカメラ 92 万画素Webカメラ ネットワーク IEEE 802.11a/b/g/n/ac Bluetooth Ver 4.0 インターフェース USB 3.1 (Type-A/Gen1) x 2
USB 3.0 x 2
マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック×1
(マイクは3極端子非対応です)オーディオ ステレオスピーカー内蔵、デジタルアレイマイク内蔵 電源 ACアダプターまたはリチウムポリマーバッテリー 本体寸法 幅322.6 mm×奥行き228 mm×高さ16.1 cm 重量 約1.25 kg
自動更新ポリシーの有効期限
ASUS C423NAの自動更新ポリシーの有効期限は2024年6月まで。期限を過ぎても使用することはできますが、アップデートされないためセキュリティリスクの懸念が高まります。
使用レビュー(YouTube)
開封・設定
使用レビュー
ゲーム検証
荒野行動
バンドリ!ガールズバンドパーティ!
正直AndroidアプリゲームはCPUが足引っ張ってるのかかなり厳しい感じでした。
後、画面タッチできないのが更に辛い。。。
UI・設定画面
覚えておいたほうが良い機能
Phone Hub(スマートフォンに接続)
Phone Hubを使えば、スマートフォンで受け取った通知をChromebookで受信できたり、スマートフォンをChromebookのロック解除に使用、インターネットの共有などが行える便利な機能です。
設定は初回起動時のセットアップ画面または設定>接続済みのデバイスより行えます。
設定ボタンを押した後上記の画面が出ましたら、画面左側のデバイスを選択より同期するデバイスを指定し、同意して続行、パスワードを入力しますと設定できます。
設定画面ではSmart Lockやテザリング、メッセージの受信やPhone Hubの設定などを行うことができます。
ファンクションキー(ショートカットキー)
ChromebookのキーボードにはWindowsやMacと違いファンクションキー(F1~F12)がありません。
また、メディアキーも異なる機能があります。
各ショートカットキーの機能はCTRL+ALT+/キーで確認できるので一度目を通しておきましょう。
ちなみにファンクションキーは検索キーを押しながら1~^キーで使用することができます。
ちなみにファンクションキーは設定画面のデバイス、キーボードの「キーボードの最上段のキーをファンクションキーとして使用する」で割り当てることもできます。
機能名 ショートカットキー 定番のキーボードショートカット 1~8番目のタブに移動する CTRL+1~8キー CapsLock機能のオンオフを切り替える ALT+検索キー Googleアシスタントを開く 検索+Aキー アドレスバーにフォーカスを移す CTRL+LキーまたはALT+Dキー ウィンドウを切り替える ALTキーを押したまま、目的のウィンドウが表示されるまでTABキーを押し、表示されたらキーを放す キーボードショートカットのヘルプを表示する CTRL+ALT+/(スラッシュ)キー 選択した内容をクリップボードにコピーする CTRL+Cキー クリップボードの内容を貼り付ける CTRL+Vキー クリップボードを開く 検索+Vキー スクリーンショットを撮影する/録画する 録画キー 全画面のスクリーンショットを撮影する CTRL+概要モードキー 前のタブに移動する CTRL+SHIFT+TABキー 新しいウィンドウを開く CTRL+Nキー 新しいタブを開く CTRL+Tキー 最も長く使われていないウィンドウを開く SHIFT+ALTキーを押したまま、目的のウィンドウが表示されるまで
TABキーを押し、表示されたらキーを放す検索アドレスバーにフォーカスする CTRL+KまたはEキー 次のタブに移動する CTRL+TABキー 現在のページを再読み込みする 更新(回転キー)またはCTRL+Rキー 画面の一部のスクリーンショットを撮影する CTRL+SHIFT+概要モードキー 画面をロック(Androidでいうロック画面を表示) 検索+Lキー 複数画面モード 概要モードキー
※概要モードキー:ビデオカメラみたいなアイコンのキー
※検索キー:SHIFTキーの上にある虫眼鏡アイコンのキー
入力の設定・ユーザー辞書の登録方法について
設定画面左メニュー「詳細設定」の「言語と入力方法」>入力方法
意外な点・できること
YAMAHA AG03が使える
本来YAMAHA AG03はWindows・Mac・iOSデバイスのみ動作対応ですが、Chromebookでも動作することを確認しています。
ただ、DSPコントローラーなOSに依存するソフトは使えないためコンプレッサーやエフェクトの編集が行えません(ボタンを押せば認識はするものの変更ができない)
ループバック機能は使えるみたいなのでパソコンで流れている曲をマイク音声と合わせて放送に乗せることはできます。
MIDIキーボードが使える
最近はAndroidスマホもMIDIキーボードが使えるものが増えましたがChromebookも使えます。
しかもかなり低遅延なのでリアルタイムで演奏することも可能。
FL Studio Mobileでも問題なく使えました。
安価キャプチャボードが使える
ドライバ不要でウェブカメラとして認識するUVC規格に対応したキャプチャカード・ボードであればChromebookでも動作することを確認しています。
ただ、ChromebookはOBS Studioが使えない(Linux版をインストールしても映像が取り込めない)ため、ライブ配信を行うにはAndroid専用アプリを探すかブラウザでライブ配信ができるサービスを利用するしかありません。
ブラウザで使えるキャプチャカードもあります↓
ペンタブレットが使える
Chromebookでも一部のペンタブレットが使えます。
特にワコムのペンタブレットシリーズ「One by Wacom」は「Works With Chromebook」の基準を満たしており、Chromebookとペンタブレットを接続するだけで使用することが可能。
筆圧検知も問題なく動作します。
困ったこと・厳しいこと
スリープ開始時間が設定できない
ChromebookにはWindowsやMacのようにスリープ時間を設定することができません。
もしスリープ點せたくない場合は、設定>デバイス>電源よりアイドル状態になった時に画面をオフにするかオンのままには設定できますがどうせなら時間設定したいところです。
再起動ができない
特に困ることでも無いのですが、Chromebookでは再起動という電源選択項目はありません。
電源を切るか、ログアウトするかのどちらかです。
スリープにする場合は暫く本体を放置するか画面を閉じることで行なえます。
動画編集は厳しい
C423NAはスペックの割にはそれなりに使えるのですが、インストール型動画編集ソフトに関してはどれも映像がカクついたりして厳しい所。
以前紹介したブラウザで動く動画編集ソフト「FlexClip Video Maker」との相性は中々良かったので、ショートムービー作成用にはChromebookでもいけそうです。
電源を入れ直すと輝度設定がリセットされる
いつも中間より暗めに設定しているのですが、電源を入れ直すと設定が初期化されるので保持できるようにしてほしいです。
RAM4GB、ROM32GBは足りない
Chromebookに採用されているChromeOSはいくらWindowsやMacと比べて軽量とはいえ、基盤で動くのはメモリ食いで激重なChromeブラウザ。
タブを10つくらい開いて拡張機能を5つほど入れるだけでこの有様です。
快適動作はタブ3つ程度です。
あれやこれやとマルチタスクするとすぐ動作がもたつくのでせめてRAMは8GBほしい所。
ストレージもAndroidアプリを入れるとなると64GBはほしいですね。
Chromeリモートデスクトップでサクサク快適
ASUS Chromebook C423NAのマシンパワーは正直マルチタスク運用には厳しいため、私はChromeリモートデスクトップを使って、自作WindowsパソコンをC423NAでリモート操作しています。
自作パソコンはVRにも耐えれるくらいの性能なので、これならスペックの低いC423NAでもリモートで快適に作業を行うことができます。
自宅内であればWi-Fi環境でも殆ど遅延を感じませんし、画質もよく見ないと粗さがわからないくらいなので、文書作成程度であれば十分使えます。
ただ、若干音がズレることがあるので、動画編集は厳しい所。波形みてカット編集、仕上げは後で自作PCでやるって感じであればいけますが少々やりづらいです。
まとめ
先入観で最初はChromebook使い勝手悪いのではないか、安物買いの銭失いにならないか心配していましたが、そんな心配いりませんでした。
搭載しているCPUはデュアルコアCeleron。
Windowsなら思わず投げたくなるくらい動作もっさりする性能・・・仕方ないです。
ただ、Chromebookは我慢しなくてもいいレベルでそれとなく動いてくれてます、不思議。
Windowsとは別物OSなのでWindows系アプリを入れることはできないのですが、Google製のオフィスはMicrosoft Office形式にファイル変換できますし、使い勝手は異なるものの文書作成・プレゼン資料作成はChromebookでも問題ないと思います。
ウェブカメラ・マイクも搭載していますし内蔵マイクは声がクリアに録れ、外部マイクを使わなくても十分使える音質。テレワークなどのビデオ通話にも使えそうです。
私の場合、ブログ執筆やウェブサイトを作成、偶にプログラミングを行ったりするのですが、
全てChromebookで完結できます。
ASUS Chromebook C423NAには14インチフルHD液晶ディスプレイが搭載しており、作業領域も広いので作業しながらYouTube動画を観るといったこともできます。
また、キーボードはUMPCのような独特なキー配列でせせこましい感じではなく、キーの幅にゆとりがありとても入力しやすい。(バックスペースキーの上に電源ボタンがあるので偶に押してしまいシャットダウンしてしまうことがあります;これは微妙!)
後、ファンレスっていうのも物書きする者としてはとてもありがたい。
ノートパソコンの冷却ファンって甲高い音なので静かな所だと結構気になるんですよね。
4万円くらいだったら購入は躊躇っていたかと思いますが、18,800円(2021年新生活セール時)だったらお買い得、得した気分です。
ただ、更新ポリシー期間が2024年6月までとなっているのでそれを過ぎるとOSのアップデートが受けられない、使うことはできてもセキュリティ的に大丈夫なのか気になるもの。
これからChromebookを購入検討されている方は更新ポリシー期間が6年または8年の製品を購入されることをおすすめします。
Chromebookをちょっとでも安く買いたい方はC423NAご検討されてはいかがでしょうか。