Xcode + Metal Debugを使ってiPadにパフォーマンスオーバーレイを表示の具体的な手順を、できるだけわかりやすく説明します。
✅ 目的:
iPad上で動作中のMetal対応アプリに、フレームレート(FPS)やGPU/メモリ使用量などのオーバーレイを表示させる。
✅ 前提条件:
項目 | 内容 |
---|---|
Mac | macOS 13以降推奨 |
iPad | Metal対応(A12以降のチップ搭載のiPad) |
Xcode | 最新版(Xcode 15 以降) |
アプリ | Metal対応の自作アプリ、またはMetalを使ってビルドされたプロジェクト |
🧭 手順ガイド
🔹ステップ1:Xcodeのインストール
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MacのApp Storeを開く
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「Xcode」と検索してインストール(無料)
🔹ステップ2:iPadを開発モードにする
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iPadをMacに接続(USBケーブル)
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iPad上に「このコンピュータを信頼しますか?」→【信頼】をタップ
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iPad側の設定アプリを開く
→「プライバシーとセキュリティ」→「開発者モード」
→ スイッチON(再起動が必要)
🔹ステップ3:XcodeでMetal対応アプリを作成または開く
既存のプロジェクトがある場合
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そのまま開いてOK
新規プロジェクト作成手順(簡易Metalアプリ)
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Xcode起動 → 「Create a new project」
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テンプレート:App
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言語:Swift または Objective-C
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ライフサイクル:UIKit App Delegate
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保存&プロジェクト作成
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プロジェクト設定画面で以下を確認:
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Deployment Target:iPadOS 17 など
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Devices:iPad
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「Enable Metal API Validation」オン(Debug時)
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🔹ステップ4:iPadでアプリをビルド&起動
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Xcode上でビルドターゲットを「接続したiPad」にする
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▶(Run)を押してビルド&iPad上で実行
🔹ステップ5:GPUオーバーレイを表示
✅ 方法A:Xcodeの「Debug」メニューから表示
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アプリがiPad上で起動中の状態で
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Xcodeの上部メニュー →
Debug
→GPU Frame Capture
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さらに
Debug
→Performance Overlay
を選択(Metal Performance HUDが表示)
✅ 方法B:Instrumentsを使用(より詳細)
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Xcode →
Xcode
>Open Developer Tool
>Instruments
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テンプレート:Metal System Trace or Time Profiler
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iPadをターゲットにして計測開始
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オーバーレイ付きで情報取得可能(Xcodeウィンドウ側に表示)
🔍 補足情報
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オーバーレイの表示内容(FPS / GPU / メモリ使用量)は、Metal APIを使用しているアプリでないと表示されないことがあります。
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UnityやUnreal EngineベースでもMetalを使っていれば同様に表示できます。
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macOS Sonoma 以降では Metal Debug HUD の挙動が若干変更されている場合があります。
✅ よくあるトラブル
症状 | 対処 |
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GPU HUDが表示されない | Metalを使用しているか確認。Debugビルドで起動しているか |
iPadがXcodeに認識されない | 信頼済みデバイスにしているか、USB接続を確認 |
InstrumentsでiPadが出ない | 開発者モードがオンになっているか確認 |